服づくりを始めた頃から使っているアイロン台があります。
気がつけば20年。
カバーは何度も新しくしてきましたが、本体はそのまま。今も変わらず現役です。

私が使っているアイロン台は、山崎実業のスチールメッシュアイロン台の旧式です。
スチールメッシュの天板にクッション材をのせ、その上から布をかける構造なので、表面が汚れてもカバーを張り替えて使い続けることができます。

アイロン台のカバーには、熱に強い綿や麻、または綿麻混紡※の布を選んでいます。
熱に弱いポリエステルなどの化学繊維は、アイロンの高温で生地が溶けてしまうリスクがあります。カバーの生地を選ぶ際は、化繊混紡は避けましょう。
※混紡とは、2種類以上の異なる繊維を混ぜ合わせて1本の糸を紡ぐことです。
クッション材はそのまま使って大丈夫ですが、汚れた場合は、厚手のキルト芯で代用が可能です。
もともと付いていた古いカバーをアイロン台から外したら、その形を製図用のクラフト紙になぞって「自分専用の型紙」を作ります。
一度型紙を作ってしまえば、次回からはお気に入りの生地を見つけてくるだけでOK。いつでも気軽にカバーの張り替えができます!
私の場合は半年に一回はカバーを変えるので、お気に入りの生地を見つけたら110cm幅のものを90cm〜1m購入し、2枚まとめて裁断しています。
生地を裁断したら、くるっと一周ロックミシンを使って端かがりをします。
かがり目の裏の隙間に、とじ針を使って、レース糸を通していきます。

最後にクッション材をのせた天板にカバーをかぶせて、きゅっと絞れば完成!
糸の通し穴にロックミシンのかがり糸を利用することで、アイロン台の裏側が一切かさばらない、スリムな仕上がりになります。

こうして手を入れながら使い続けるうちに、いつしか一生ものの道具に。今では、私にとって大切な相棒です。
実は、メンドさんのキャップやチャイナ服の耳飾りといったミニチュア作品は、このアイロン台カバーの作り方からヒントを得て生まれたものです。
日常のふとした工夫が、思いがけないアイデアに化ける瞬間がある。だからこそ、ものづくりは本当に面白いなぁと感じます。
これからもそんな“パズルがハマるような一瞬”を探しながら、楽しんでミニチュア服作りを続けていきたいと思います。
🪡 カリリロという名前のはじまり
夕暮れの、ほんのわずかな時間。
やわらかな光の中で、子どもたちが夢中で手を動かす姿。
ジョン・シンガー・サージェントが描いた『Carnation, Lily, Lily, Rose』からは、遠い国の風景でありながらも、日本の空気にもどこか通じるような静けさと、目の前のことに没頭する純粋な気持ちが伝わってきます。
John Singer Sargent - Carnation, Lily, Lily, Rose - Google Art Project [ Wikimedia Commons, Public Domain ]
その情景に触れたとき、ふと、日が暮れるまで夢中でシルバニアを並べて遊んでいた、小さな頃の記憶が鮮やかに蘇りました。
時間を忘れてしまうほど好きだった気持ち。
そこには、大人になっても忘れたくない「大切な何か」があるように思えたのです。
その想いをかたちにするように、お店の屋号をこの絵のタイトルにちなんで「カーネーション リリー リリー・ ローズ」と名付けました。
けれど少し長い名前なので、
それぞれの頭文字をつなげて「カリリロ」と呼んでいます。



